【工芸高校ってどんな高校?】偏差値・デザイン系5学科と美術科・実技検査・進路|大阪市阿倍野区
大阪市阿倍野区文の里にあるデザイン・美術の専門高校です。1923年(大正12年)に大阪市立工芸学校として開校し、2022年に大阪府へ移管されました。ビジュアルデザイン・映像デザイン・プロダクトデザイン・インテリアデザイン・建築デザインの5学科と美術科があり、学校は「デザイン系5学科と美術科で構成される全国で唯一の専門高校」と説明しています。入試は実技検査のある特別入学者選抜です。赤レンガの本館は大阪市指定有形文化財で、経済産業省の近代化産業遺産にもなっています。
基本情報(早わかり)
| 正式名称 | 大阪府立工芸高等学校(おおさかふりつこうげいこうとうがっこう) |
| 区分 | 公立(大阪府立)・共学/全日制(別に定時制の課程もあります) |
| 設置学科 | ビジュアルデザイン科・映像デザイン科・プロダクトデザイン科・インテリアデザイン科・建築デザイン科・美術科(6学科) |
| 所在地 | 大阪府大阪市阿倍野区文の里1-7-2 |
| 募集人員(2026年度入試) | 各学科40名(合計240名) |
| 偏差値の目安(2026) | 46〜53(学科により異なる) |
| 在籍者数 | 703名(1年240名・2年237名・3年226名/2025年5月1日時点) |
| 信条 | 真実一路/良知を以って己を磨き・敬愛を以って人に接し・熱意を以って事に当る |
| 沿革 | 1923年(大正12年)大阪市立工芸学校として開校(金属工芸科・木材工芸科・図案科)→ 1924年 現在地に校舎竣工 → 1948年 学制改革で大阪市立工芸高等学校 → 1957年 写真工芸科を設置 → 1988年 図案科をデザイン科に改称 → 1993年 デザイン系5学科を新設し、美術科と合わせて6学科に → 2000年 本館が大阪市指定有形文化財 → 2022年 大阪府へ移管し「大阪府立工芸高等学校」 |
| 主な学校行事 | 体育祭・合唱コンクール・文化祭・デッサンコンクール・2年修学旅行・工芸高校展(1年間の実習作品展示)・3年生を送る会 |
アクセス・地図
| 住所 | 〒545-0004 大阪府大阪市阿倍野区文の里1-7-2 |
| 電話 | 06-6623-0485(FAX 06-6623-8419) |
| 最寄り駅 | Osaka Metro谷町線「文の里」駅から北へ200m/Osaka Metro御堂筋線「昭和町」駅から北へ500m/JR阪和線「美章園」駅から西へ500m/近鉄南大阪線「河堀口」駅から南西へ800m |
| 通学 | 自転車通学は学校から半径1km以上5km以内が許可区域で、申請すれば可能です(学校のQ&A) |
| 羽曳野・南河内から | 峰塚中から約46分です(古市駅から近鉄南大阪線の急行で大阪阿部野橋駅へ、天王寺駅からOsaka Metro谷町線で文の里駅) |
※地図は住所をもとに表示しています。正門・通用門の位置は学校公式サイトでご確認ください。
どんな高校?
大阪で唯一の、デザイン・工芸を専門的に学ぶ学校として始まりました(校長あいさつ)。1923年(大正12年)に大阪市立工芸学校として金属工芸科・木材工芸科・図案科の3科で開校し、学制改革で大阪市立工芸高等学校に。1993年からビジュアルデザイン・映像デザイン・プロダクトデザイン・インテリアデザイン・建築デザインの5学科を学年進行で新設し、美術科と合わせた6学科になりました。2022年4月に大阪市から府へ移管され、大阪府立工芸高等学校になっています。校長あいさつによると、卒業生は20,000名に及びます。
🏛️ 本館は文化財です。学校の説明では、本館は「アールヌーヴォーの巨匠ヴァン・デ・ベルデが設計したドイツのワイマール工芸学校をモデルとして設計され、大正13年に竣工したもの」。2000年に大阪市指定有形文化財、2008年に経済産業省の近代化産業遺産に指定されています。
🎨 6学科の中身(学校公表)
・ビジュアルデザイン科=宣伝ポスターや雑誌広告、CDジャケットなどの印刷物から、Webなどのコンテンツのデザインまで
・映像デザイン科=「広告写真や印刷等のフォトデザイン、CM・ドラマ等のビデオ、コンピューターグラフィックスの3つを柱とした映像メディア制作」
・プロダクトデザイン科=文具・おもちゃなどの生活雑貨から、照明器具・イス、家電、福祉器具、自転車・自動車まで「身の回りにある製品すべて」
・インテリアデザイン科=住宅・店舗・ディスプレイなど空間の企画やデザインから、家具の設計・製作まで。木・土・紙・布などさまざまな素材を使う
・建築デザイン科=建築物の設計技術と建築デザインの基礎。1・2級建築士受験資格についての学習も行う(ERABOでは「2級建築士(卒業後に受験資格が得られる)」)
・美術科=1年生は素描・構成が中心、2年生から油画・日本画・彫刻・デザインの4コースに分かれて3年間で専門実技を修得
学科は入学時に確定し、3年間クラスは変わりません(学校のQ&A)。毎年1月には全学科・全学年の作品を並べる「工芸高校展」を開いており、2026年1月の第78回は個別説明会も同時に行われました。
校風・特色
学校の信条は「真実一路」。スクール・ミッションは「デザイン・美術・造形に関する専門教育を通じて、時代の変化や社会情勢に柔軟に対応し、高い感性と創造性に富んだ、よりよい社会の実現に貢献できる人物を育成する」です。学校は「学校行事が多く、各行事には学科独自の伝統が引き継がれています」と書いています。
🖌️ 部活動は「工芸ならでは」が多いのが特徴です(学校のQ&A「ほかの学校にはないクラブも多数あります」)。ERABOに載っている文化系は、吹奏楽・撮影研究・絵画・漫画・アニメ研究・音楽・演劇・文芸・ESS・版画・陶芸・彫刻・彫金・茶華道・古文化研究・立体造形・放送。運動系はソフトボール・バレーボール・バドミントン・男女バスケットボール・硬式テニス・剣道・体操・陸上競技・卓球・ソフトテニス・ダンスです。クラブ加入は自由です。
📌 生徒心得(2025年2月3日一部改正)では、制服は冬がブレザー・スラックス/スカート・白カッターシャツ・ネクタイ、夏が白カッターシャツ。学校指定の女子用スラックスもあります(希望者)。パーマ・染毛・脱色・エクステンション・ウィッグ、化粧、アクセサリー、タトゥーは禁止で、アルバイトは原則として禁止です。
時間の決まりは、開門7:45(学校のQ&A)、8:30までに登校し16:55までに下校(水曜は16:45)。8:00より前や16:55以降に残る場合は先生の付き添いが要ります。スマートフォンは持ち込み可・校内での使用は原則禁止(学校のQ&A・R3.9.17)です。
出典:学校公式サイト ほか(学校が公表する教育方針にもとづく記述です)
コースと偏差値(2026年・目安)
| コース・学科 | 偏差値の目安 |
|---|---|
| 美術科 | 53 |
| ビジュアルデザイン科 | 50 |
| プロダクトデザイン科 | 47 |
| 映像デザイン科 | 46 |
| インテリアデザイン科 | 46 |
| 建築デザイン科 | 46 |
出典:当塾が五ツ木模試の資料をもとに整理した合格目安です(五ツ木は大阪の中学生が受ける主要模試)。
卒業後の進路(公式データ)
工芸高校は4年制大学が半分前後、専門学校等が2〜3割という進路です。大阪府が公表している卒業生の進路内訳(実人数)の直近3年は次のとおりです。
| 進路先 | 2023年春 (231名) | 2024年春 (222名) | 2025年春 (223名) |
|---|---|---|---|
| 4年制大学 | 115名 | 130名 | 115名 |
| 短期大学 | 14名 | 14名 | 12名 |
| 専門学校等 | 74名 | 50名 | 58名 |
| 就職 | 9名 | 10名 | 19名 |
| その他 | 19名 | 18名 | 19名 |
| 4年制大学の割合 | 50% | 59% | 52% |
※進路内訳は実人数(合計=卒業者数)。学校公式・大阪府の表記では令和4・5・6年度です。割合は当塾が計算しました。出典:大阪府「ERABO(大阪府公立高等学校・支援学校検索サイト)」大阪府立工芸高等学校のページ。
学科別の内訳(2024年春=令和5年度卒業生・学校公表)
| 学科 | 大学 | 短大 | デザイン教育研究所 | 専門学校 | 就職・公務員 | 卒業生 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ビジュアルデザイン | 24名 | 2名 | 7名 | 1名 | 0名 | 38名 |
| 映像デザイン | 22名 | 1名 | 2名 | 9名 | 3名 | 39名 |
| プロダクトデザイン | 15名 | 1名 | 5名 | 7名 | 3名 | 37名 |
| インテリアデザイン | 17名 | 4名 | 2名 | 10名 | 2名 | 35名 |
| 建築デザイン | 30名 | 2名 | 1名 | 1名 | 2名 | 37名 |
| 美術 | 22名 | 4名 | 2名 | 3名 | 0名 | 36名 |
出典:学校公式サイト「令和5年度卒業生進路状況」(PDF)。大学130名の内訳は国立3名・公立8名・私立119名。「デザイン教育研究所」は工芸高校の南隣にある大阪市立デザイン教育研究所(学校の説明では「工芸高校の継続教育機関」)です。このほか浪人11名・その他7名。
主な進学先・就職先(学校公表)
| 区分 | 学校が挙げている名前 |
|---|---|
| 大学 | 東京芸術・筑波・京都市立芸術・大阪教育・金沢美術工芸・横浜国立・大阪公立・秋田公立美術・島根・立命館・関西・長岡造形・大阪芸術・神戸芸術工科・京都精華・京都芸術・成安造形・嵯峨美術・近畿・大阪工業・金沢工業 など |
| 短大など | 大分県立芸術文化短・嵯峨美術短・大阪芸術大短・奈良芸術短・大阪市立デザイン教育研究所 など |
| 就職(過去3年) | 独立行政法人造幣局、ホンダ技術研究所、マツダ(株)、トヨタ自動車東日本(株)、ダイハツ工業、ツジカワ(株)、(株)LIXIL LHT、(株)淺沼組、(株)阪急建装、大和木工(株) など |
出典:大学・短大=学校公式サイト「学校概要」(令和5年度版)。就職=大阪府「ERABO」の「主な就職先等(過去3年間の実績)」。人数つきの一覧は学校公式サイト「主な進学先」(令和3〜5年度・PDF)にあります。
一方で、学科は入学時に確定し、3年間クラスは変わりません(学校のQ&A)。入ってから普通科の進路へ切り替える形にはなっていないので、学科選びが進路選びとほぼ同じ意味になります。
📊 以上は個別学習塾enが学校と大阪府の公式発表(2026年10月時点)をもとに整理したものです。最新・正確な情報は学校公式サイトでご確認ください。
入試の形と倍率(公式データ)
工芸高校は一般選抜ではなく「特別入学者選抜」(実技検査あり)で受験します。6学科とも募集は各40名(合計240名)で、第2志望の学科を書けるのが特徴です。
| 入試年度 | 募集人員 | 学校全体の志願者数 | 学校全体の競争率 |
|---|---|---|---|
| 令和6年度(2024年春入学) | 240名 | 306名 | 1.28倍 |
| 令和7年度(2025年春入学) | 240名 | 294名 | 1.23倍 |
| 令和8年度(2026年春入学) | 240名 | 255名 | 1.06倍 |
学科ごとの「第1志望者数」
| 学科(募集各40名) | 令和6年度 | 令和7年度 | 令和8年度 |
|---|---|---|---|
| 建築デザイン科 | 41名 | 39名 | 22名 |
| インテリアデザイン科 | 39名 | 41名 | 29名 |
| ビジュアルデザイン科 | 65名 | 62名 | 50名 |
| 映像デザイン科 | 50名 | 45名 | 44名 |
| プロダクトデザイン科 | 36名 | 47名 | 39名 |
| 美術科 | 75名 | 60名 | 71名 |
出典:大阪府「大阪府公立高等学校 特別入学者選抜の志願者数」(令和6・7・8年度・締切数)。府の資料には「第1志望で不合格となっても、第2志望で合格となる場合があるため、学校全体の志願者数を(B)とし、学校全体の競争率を(B/A)と示している」と注記があり、学科ごとの倍率は公表されていません(上の表は第1志望の人数です)。
合否の決まり方(特別入学者選抜・タイプⅡ+実技)
| 要素 | 満点 | 中身 |
|---|---|---|
| 学力検査(当日点) | 225点 → 270点 | 国語・社会・数学・理科・英語を各45点。タイプⅡは1.2倍 |
| 調査書(内申) | 225点 → 180点 | 9教科を各25点(中3の評定×3+中2の評定×1+中1の評定×1)。タイプⅡは0.8倍 |
| 実技検査 | 150点 | 全学科共通。学校の資料(令和5年度版)では基礎的描写(鉛筆での写生・40分)75点と総合的表現(ことばからイメージを広げて鉛筆と絵の具で描く・60分)75点 |
| 総合点 | 600点 | 当日点270+内申180+実技150 |
出典:大阪府「大阪府公立高等学校入学者選抜の方法(特別入学者選抜・実技検査を実施する場合)」令和9年度/学校公式サイト「学校概要」(令和5年度版)「入試に関するQ&A」(R3.9.17)。
① 実技が150点で、全体の4分の1を占めます。学校は「テスト内容も、採点基準も全て共通です」と説明しており、どの学科を受けても同じ実技です。
② 実技の準備について、学校は「高校受験には、本校HPの動画を参考にして自宅で練習する、実技講習会に参加することで十分対応できます。ほとんどの方が初心者です」と答えています。実技講習会(令和7年度は12月25日・中学3年生対象・申込制)は、本番と同じ形を一度経験できる機会です。
③ 内申は中3が3倍で、中1・中2はそれぞれ1倍です。当日点のほうが比重は大きい(タイプⅡ=6:4)ので、5教科の当日点を取りこぼさないことが総合点を支えます。
④ 出願は2月、学力検査は2月18日(木)、実技検査は2月19日(金)(令和9年度)。一般選抜(3月)より約3週間早い日程です。
⚠️ 学力検査の問題の種類(A・B・C)と、当日点と内申にかける倍率の「タイプ(Ⅰ〜Ⅴ)」は、毎年度 大阪府が公表し、学校ごとに変わることがあります。受験する年度のものは大阪府のホームページでご確認ください。参考までに、令和9年度(2027年春入学)入試について府が公表している工芸高校の内容は、国語・数学・英語が「B問題」、タイプは「Ⅱ」(当日点と内申が6:4)です。
なお合否は、総合点の高い順に募集人員の90%までを合格とし、残りの「ボーダーゾーン」では自己申告書と調査書の「活動/行動の記録」がその高校のアドミッションポリシーに極めて合致する者を優先的に合格とする手順(Step4)が入ります。
合格の目安
工芸高校の合否は当日点+内申に、実技検査(150点)が加わります。下の表は当日点と内申についての目安で、実技の出来は含んでいません。
| コース・学科 | 偏差値 (2026) | 内申 9教科(45点満点) | 定期テスト 5教科(500点) | 実力テスト |
|---|---|---|---|---|
| 美術科 | 53 | 29〜33 | 60〜67% | 50〜57% |
| ビジュアルデザイン科 | 50 | 28〜32 | 57〜64% | 47〜55% |
| プロダクトデザイン科 | 47 | 26〜31 | 54〜61% | 44〜52% |
| 映像デザイン科 | 46 | 24〜29 | 50〜58% | 40〜48% |
| インテリアデザイン科 | 46 | 24〜29 | 50〜58% | 40〜48% |
| 建築デザイン科 | 46 | 24〜29 | 50〜58% | 40〜48% |
五ツ木模試について:合格の目安はおおむね上記の偏差値帯と同程度です。正確な合格可能性(A判定)ラインは最新の五ツ木の進学資料、または個別学習塾enの面談でご確認ください。
個別学習塾enから見たこの高校
入試で大きいのは2つ。ひとつは実技検査が150点あること。学校は「ほとんどの方が初心者です」「自宅で練習する、実技講習会に参加することで十分対応できます」と答えており、画塾に通っていないと受からない入試ではありません。ただ、鉛筆での写生(40分)と、ことばから絵の具で絵を描く(60分)という形には、一度でも慣れておくと当日が落ち着きます。
もうひとつは学科による人気の差です。令和8年度の第1志望は美術科71名・ビジュアルデザイン科50名に対し、建築デザイン科22名・インテリアデザイン科29名。第2志望の学科も書けるので、どの学科に第2志望を置くかは出願の大事な判断になります。
進路は9割近くが進学で、大学の名前は大阪芸術大学・京都精華大学・京都芸術大学・金沢美術工芸大学・京都市立芸術大学など、ほぼ美術・デザイン・建築の分野です。学科は入学時に決まり、3年間変わりません。「デザインのどの分野か」まで中3で考えておくと、学科選びが迷いにくくなります。
通学は峰塚中から約46分で、文の里駅から北へ200mです。出願が2月、試験が2月18日・19日(令和9年度)と一般選抜より早い点も、私立の併願の組み方と合わせて見ておきたいところです。 個別学習塾en(羽曳野市羽曳が丘)でも、進路の選択肢としてご相談いただける学校です。「今の成績からこの学校まで何が必要か」も、面談で具体的にお伝えできます。
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