AIに宿題の答えを聞くと、力はつく?|答えではなく「ヒント」で使うと身につきます
「AIに宿題の答えを聞くと、力はつくのでしょうか」
いまは、宿題の問題をAIに打ち込めば、答えがすぐに出てきます。
調べてみると、大事なのは「使うか、使わないか」ではなく「どう使うか」でした。分かったことと、enでの取り組みをまとめました。
AIに答えを教えてもらって練習すると、AIなしのテストで点が下がりました
AIにヒントだけもらって練習すると、点は下がりませんでした
enでは、答えは見せず、最後は自分で解くヒントを用意しています
1答えを聞くと、どうなるの?
答え練習ではよくできても、AIなしのテストで点が下がりました。
高校生 約1,000人に、数学の練習をしてもらった研究があります(2025年)。
AIの使い方を2つに分けて、あとでAIなしのテストを受けてもらいました。
答えを教えてもらった子は、AIを外すと点が下がりました(AIを使わずに練習した子とくらべて、17%低い点)。
練習ではできていたのに、なぜでしょうか。
2なぜ、力がつかないの?
答え「分かった気がする」と「自分でできる」は、ちがうからです。
自転車の練習に、にています。
AIの答えを読むと、分かった気になります。でも、テストではAIは使えません。
少し苦労して、自分で考えて出した答えのほうが、頭に残ります。これは、勉強についての研究で何度も確かめられています。
では、おうちではどう使えばよいのでしょうか。
3おうちでの使い方
答え答えではなく、ヒントだけをもらいます。
AIに、はじめにこの文をはりつけてから問題を送ると、答えではなくヒントで返してくれます。
うまくコピーできないときは、上の文を長押しして「すべてを選択」→「コピー」でも使えます。「問題:」のあとに問題を書くか、問題の写真をいっしょに送ります。
AIのサービスには、使ってよい年れいの決まりがあります(例:Claude は18歳以上)。サービスごとにちがうので、ご利用前に利用規約をご確認ください。
enでの取り組みもご紹介します。
4enでの取り組み
答え答えではなく、ヒントを渡すことを大切にしています。
いま自学自習のときのヒント
自分で勉強していて手が止まったときに使う、数学のヒントの一例です。
- 答えは書いていません
- □をうめながら、1つずつ進みます
- さいごの□(⚽)は、自分で解きます
これから新しい情報を、教室に生かす
AIや勉強のしかたについての新しい研究・情報をしっかり集めて、教室の運営に生かしていきます。
さいごに。
国(文部科学省)も、「AIが作ったものを、そのまま自分のものとして出すのはよくない」としています。学校の教科書にAIが入るのは、まだ先になりそうです。
そのあいだ、enでは「答えではなくヒントを」「さいごは自分で」を大切にしていきます。
おうちでのAIの使い方で気になることがございましたら、面談でも教室でも、お気軽にお声かけくださいませ。
スマホや動画との付き合い方は、別のページにまとめています → ショート動画と集中力
出典と、くわしい数字
■ 1章=Bastani, H. ほか (2025). Generative AI without guardrails can harm learning: Evidence from high school mathematics. PNAS, 122(26), e2422633122.(トルコの高校 9〜11年生・約50クラス・約1,000人。練習中の成績は、AIなしで練習したグループとくらべ、答えを出すAI +48%/ヒントを出すAI +127%。AIなしの試験では、答えを出すAIのグループが17%低下し、ヒントを出すAIのグループは統計的に意味のある差なし)論文はこちら
同じ向きの研究として、Lehmann ほか「AI Meets the Classroom」(arXiv:2409.09047・査読前。解答を作らせると理解が下がり、説明を求めると上がった)、Kosmyna ほか「Your Brain on ChatGPT」(arXiv:2506.08872・査読前・54人。AIに作文を書かせた人ほど、自分の文章を思い出せなかった)があります。
■ 2章=Roediger, H. L., & Karpicke, J. D. (2006). Test-enhanced learning. Psychological Science, 17(3), 249–255.(1週間後に覚えていた量:思い出して書いた人 56%/読み直した人 42%。読み直した人のほうが「覚えた」という自信は高かった)
■ 3章=年齢の決まりは各サービスの利用規約より(2026年10月時点)。Claude は18歳以上、Gemini は多くの国で13歳以上。変わることがあるため、ご利用前に最新の規約をご確認ください。答えをすぐ出さない「学習用のモード」を、Khan Academy(Khanmigo・2023年)、Anthropic(Claude・2025年)、Google(Gemini・2025年)などが用意しています。
■ さいごに=文部科学省「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver.2.0)」2024年12月26日 文部科学省のページ/文部科学省「教科書検定の改善について(第一次論点整理案)」2026年10月13日 資料(PDF)。デジタル教科書の学校での使用は、小学校で2030年度ごろからの見込み(報道による)。海外では、ニューヨーク市の公立学校が2026年度、中学生以下の生徒向けの生成AIを使わないと決めています(ページ)。





